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農業食料工学会 脱炭素をテーマに テクノフェスタ 開発特別賞等講演も

農業食料工学会 脱炭素をテーマに テクノフェスタ 開発特別賞等講演も

受賞講演を行う井関農機の後田氏 

農業食科工学会(飯田訓久会長)は11月10日、農研機構農業機械研究部門(さいたま市)で農業食科工学会シンポジウム「第28回テクノフェスタ」を開催した。今回のテーマは、「脱炭素社会における農業・食料産業を形作る技術」。当日は、開発賞受賞講演のほか、本田技研工業の岩田和之氏が同社のMaaSについて基調講演を行った。

 テクノフェスタは、農業機械、施設、農業機械化等関係の技術者、研究者の技術向上並びに交流と親睦のため、1996年度から開催されている。
 冒頭、飯田会長が挨拶。「テクノフェスタも今年で28回目。今回は4年ぶりの対面開催となった。活発なやり取りができればと思う」と話した。
 また、テクノフェスタ開催にあたり協力している農研機構農業機械研究部門の安原学所長が、「今回の基調講演は、農業用バッテリーへの応用の可能性についてお話いただくことになっている。農機の電動化は社会全体の課題ではあるが、導入へのハードルは高いと感じている。今後の研究を進めるにあたり、今回の講演でこうした課題を乗り越えるための提案をしてもらえるのではないかと期待している。今回のテクノフェスタを通じて、得られた情報やアイデア、参加者の交流など、皆様にとって有益なものになれば」と述べた。
 その後、先頃公表された2022年度「開発賞」の各受賞者による講演が行われた。開発特別賞を受賞した井関農機の後田達哉氏は「にんじん収穫機クレーン仕様の開発」について、荷下ろし機能の改善で時短・省力化が行えた点や、掘りやすく低振動なソイラで快適作業ができる点などを紹介した。
 また、クボタのポストハーベスト事業部の大門龍太郎氏は「たまねぎ調整機KOC―10」について、高処理速度と安定した調製精度の両立により、規模拡大が行える点を紹介したほか、ヤンマーアグリ開発統括部の池田直哉氏は「小型フルクローラトラクタの開発」について、ホイルトラクタの1.5倍の牽引力を持ち合わせることにより作業の効率化につながることなど紹介した。
 基調講演では、本田技研工業の岩田氏が、同社のモバイルパワーパックを活用した事例や、同社のeMaaS構想、農機を中心としたバッテリーのシェアリング構想を提案した。
 続いて、1部と2部に分かれて合計5つの分科会を開催した。