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初期生育の課題カバー 鋤柄農機のうね内局所施肥成形機

PH―T313KSの作業
国の打ち出したみどりの食料システム戦略、肥料価格高騰などを背景に、肥効を向上する〝うね内局所施肥〟が改めて注目されている。その中、鋤柄農機=鋤柄忠社長、愛知県岡崎市矢作町西林寺38=はうね内局所施肥成形機を商品化しシリーズ化を進め、現在はスーパー台形成型機、スーパーエイブル平高成型機・マルチ、シンプル成形機で行える。

 うね内局所施肥のメリットは①肥料をうねの中に筋状に施肥し肥効を上げ、少ない肥料で同じ効果を期待できること②うね表面に出る肥料を減らせるので雑草への肥料を軽減し雑草の抑制効果もあること。
 ただし、うね内局所施肥を行うに当たっては①作物の初期成育が慣行より悪い②肥料の深さが浅いと肥料障害が発生する恐れがあるといった点に注意する必要がある。スターターの肥料を撒くことで、初期成育を促すことはできるが、現状では手で撒くことになり、手間が掛かる。
 鋤柄農機では、初期成育に配慮した方法として、施肥ホースの1本は施肥パイプに導き肥料をうね内に筋状に撒き、施肥ホースの1本をロータリー前方に導き、肥料の半分をうね内に拡散散布する方法を提案している。この方法は雑草抑制効果は減るものの、作物の初期生育はほぼ従来と同じで、安定した生育を期待できる。
 また、手間が増えることもない。施肥パイプは、作業中、常にうねの中を通過し、詰まると施肥ムラとなるが、同社の施肥パイプは茨城県との共願で特許取得をしている。
 農研機構の野菜用高速施肥機の成果発表では、2段施肥技術を用いた畦内局所施肥の農法を検証し、肥料3割減との生育結果を公表している。
 鋤柄社長は「この発表はうね内局所施肥を行う際の減肥効果と施肥位置の検討に参考になると思う」と話した。
 現在、鋤柄農機のうね内施肥成形は、スーパー台形成型機『PH―Tシリーズ』、スーパーエイブル平高成型機・マルチ『PH―Rシリーズ』、シンプル成形機(STSシリーズ)で行える。
 うね内局所施肥成形を行うには①成形機②うね内局所施肥③施肥装置の3機構が必要。鋤柄農機は①+②を標準仕様としているが、フルセットの①+②+③も対応可能である。
 同社では「うね内局所施肥成形を行うときは十分に検討し、検証の上使用することを推奨したい」としている。

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