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オーレック自走式栗収穫機発売 収穫時間短縮・労力削減

オーレック自走式栗収穫機発売 収穫時間短縮・労力削減
オーレック=今村健二社長、福岡県八女郡広川町=は、国内初の自走式栗収穫機「バーディーマロンピッカーBX800/M8―MP750」を発売する。同機は、栗栽培において重労働とされる収穫作業の時間短縮・労力削減を目標に開発、茨城県、岐阜県と共同研究を行い製品化。農家から「収穫時間を短縮できる」「性能が良い」など好評を得ている。

  国内の栗栽培は生産者の高齢化と後継者不足により、栽培面積・生産量ともに減少傾向となっている。生産者数の減少により一人あたりの栽培面積が増える中、作業時間短縮と身体的負担の軽減が喫緊の課題であり、特に栗の収穫作業については栽培における総労働時間の約44%を占める重労働となっていることから、機械化が求められている。
 一方、近年和スイーツである〝モンブラン〟ブームで国産栗の価値が向上したことで栗の需要は高まっており、生産量の拡大が求められている。これを受けて、地域や作物特有の課題解決を得意とする同社は栗収穫機の開発に着手。現場に即した製品開発を進めるため、2020年から茨城県農業総合センター園芸研究所、2021年には岐阜県中山間農業研究所と、栗の収穫率や作業時間に関する研究を行い、開発に至った。
 同機は用途に応じて作業機を付け替えられる自走式の機械(BX800/M8)に収穫用アタッチメントを装着したもの。収穫の流れとして、収穫時に毬(いが)や実と一緒に土が入るのを抑えるために回転数を低めに設定したブラシでロータリー内に掻き込み、スクレーパーで栗をロータリー内に入りやすくし、投射フラッパーで栗を前方に設置したコンテナに収穫する。
 毬や実と一緒に取り込んだ草などの小さなゴミについては、ロータリー後方のフラッパーから排出。最後に、余計なゴミをのれんフラッパーで落とし、コンテナへ実・毬を投入するといった流れで、短時間かつ楽な姿勢で収穫ができる。また、毬はほぼ100%、実のみでも70~80%を収穫し、収穫作業時間を約3分の1に短縮することが可能だ。
 省人化を目的に今秋より同機を導入予定のアドバンフォースの髙野桂さんは「2022年秋に先行して試験機を導入したところ、栗収穫の作業効率は約3倍に上がることが確認でき、試算上では機械導入により、現在10名で行っている収穫作業を今後は6名程で行えるようになると考えている。今年は8月下旬~10月上旬頃の収穫を予定しており、栗収穫機を使った人手不足の解消と作業効率の向上に期待する」と述べた。
【バーディーマロンピッカーの主な仕様】▽機体寸法=全長1930(作業時2235)×全幅1240×全高1035各㎜▽重量=198㎏▽作業幅=750㎜▽ブラシ高=0~60㎜。
 小売価格は、86万9000円(税込)。