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コベルコ建機 K–DIVEサービス開始 建機の遠隔操作システム

コベルコ建機 K–DIVEサービス開始  建機の遠隔操作システム
コベルコ建機=山本明社長、東京都品川区北品川5―5―15=は、12月5~7日まで東京ビッグサイトで行われた「建設DX展」に出展した。初日には同社が進める建設機械の遠隔操作システム「K―DIVE」のサービス提供開始を発表。会場と400㎞以上離れた現場を結んで、その場から実機同様の作業を行う様子も披露した。

 冒頭、山本社長は「DX推進は、コベルコグループ全体で取り組むべき課題だ。デジタル化は、古いシステムを新しいものへ入れ替えるだけではなく、既存の組織や人材、製品、ソリューション、サービス等にも対応して取り組んでいる。中小規模から大規模のお客様まで、それぞれ異なるユーザーニーズがあり、これに応えつつ、業界初の商品、サービスを継続的に提供するため、DX推進を通じたソリューションや、ビジネス強化を進めていく。常にお客様のニーズを先取りし、新たな市場を創造し価値を提供する。今回ご紹介するものは、コベルコグループを象徴しているものだ」などと話した。
 発表日の12月5日にサービスを開始した「K―DIVE」は、「遠隔対応重機」・「コックピット」・「データプラットフォーム」を常時接続することで、重機の遠隔操作に加え、ダッシュボードでオペレーターの操作履歴や遠隔重機データを可視化する仕組み(システム)だ。「K―DIVE」は、遠隔操作に関する豊富な知見を持ったDXアドバイザーが、同システムの運用から活用までをサポートする。同サービスは、性能進化が早いシステム機器の適時バージョンアップをはじめ、最適な環境で、顧客の現場変革と経営変革を継続的に支援することを目的にサブスクリプションとして提供する。
【コックピットの主な特長】①モーションシート:実機の傾斜角や振動をフィードバックし搭乗している感覚で操作可能②音のフィードバック:エンジン動作音や機械動作音等がフィードバックされるため現場にいる感覚で操作可能③可動式メインカメラ:カメラを上下左右に動かす事ができ、周囲を確認しながら作業可能④オペレーター顔認証機能:無資格者の操作制限と人物別データ集計のため、事前登録された人物のみ遠隔操作が可能⑤よそ見検知機能:よそ見と姿勢を検知し安全な操縦をサポート。長時間のよそ見で機械停止。
 デモ実演では、東京ビックサイトから430㎞離れた神戸にある機械を遠隔操作した。グラップルを使い、現場に置かれた物を持ち上げて別の位置へ移動させた。機械にはカメラが一つしか搭載されておらず、距離感を掴みやすくするため、映像内にグラップルが降りる位置を示すポインターや高低差が分かるようにメッシュを表示していた。その後、800㎞離れた広島では油圧ショベルで土砂をトラックに積む作業を行った。
 同社によると、カメラの画像を録画することで、初心者が技術力の高い人の操作を見返すことができるので、研修での活用も期待できるという。
 今回の展示では、車両系建設機械の免許がある来場者には、操縦体験も実施していた。体験した人の感想として、愛知県からの来場者は「最初は戸惑うが、時間をかければ慣れる。特にゲームをやっている人はすぐに慣れると感じた。シートが現場の機械に合わせて傾いたり、振動を与えてくれるので、実機に載っている感覚が感じられる。今後、人手不足が深刻になることが予想されるが、このような遠隔操作ができる機械が増えれば」と話した。

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