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ロードマップ’22公表 レベル4へ制度整備進む

ロードマップ’22公表 レベル4へ制度整備進む
ドローン等の無人航空機で、現行では飛行を認められていない「有人地帯(第三者上空)で補助者なし目視外飛行」(レベル4)の実現に向け、飛行の安全を厳格に担保する仕組みや利便性を考慮した制度整備が進んでいる。
 8月3日、関係省庁らによる「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」が都内で開かれ、国交省から制度概要が示された。これによると、無人航空機の安全基準への適合性(設計、製造過程、現状)について検査する「機体認証制度」を創設し、型式認証を受けた機体(主に量産機)については、機体ごとに行う機体認証の際の検査の全部または一部を省略する。また機体認証・型式認証は、第一種(レベル4相当)と第二種に区分し、有効期間は、3年(第一種は1年)。レベル4の実現に向けて、第一種機体認証が取得されることを目指しメーカー等と密に情報共有し、機体開発を加速させるとした。
 また無人航空機を飛行させるために必要な知識や能力を有することを証明する操縦ライセンス制度では、技能証明試験は、国が指定する者(指定講習機関)が行い、国の登録を受けた講習機関の講習を修了した場合は、実地試験を免除。技能証明は一等(レベル4)及び二等に区分し、有効期間は3年。
 マルチローターについて、2023年の早期に一等操縦ライセンスに係る学科や実地試験を実施するため実地試験要領の策定等により試験準備を加速。またヘリコプターや飛行機の種類の無人航空機用の実地試験実施要領を順次策定する。今年12月からの制度開始に向けて、9月5日から登録講習機関の登録に係る事前申請の受付を開始する。
 また、公表した「空の産業革命に向けたロードマップ2022」は、2022年度中にレベル4の飛行が実現することを踏まえ、ドローンがより効果的に社会に貢献する未来の実現に向けて、①より高度な運航を可能とするための「運航管理システム(UTMS)の制度・技術を確立」②「機体性能を向上」させるため、技術開発を強化③地域との連携を強化しつつ「物流・災害対応など具体の用途に応じた実装を加速」―を目標とした。
 環境整備では、運行管理システム(UTMS)の導入に向けて、2023年度に制度整備の方針を策定し、UTMSの段階的な制度整備により運航形態の高度化、空域の高密度化を実現。また上空における通信確保のため、高度150m以上でのLTE利用等を可能とするなど、更なる対応の検討・実施。
 技術開発については、国土交通行政の現場におけるドローン実証等を踏まえ、2022年度末を目途に災害復旧支援や点検、測量、気象観測などの行政ニーズに対応するために必要な標準機体の性能仕様を策定し、国内企業の開発を促進。併せてSBIR(Small Business Innovation Research)制度の活用も検討する。
 ドローンや空飛ぶクルマの今後の増加を見据え、空域の高密度化を可能とするため、ドローンや空飛ぶクルマと航空機がより安全で効率的な運航を行うための運行管理技術を開発し、大阪・関西万博で実証。また、運行の省人化にむけ、1操縦者による多数機同時運航の実現に向けた性能評価手法等を開発する。
 国交省が示した資料では、今年6月20日以降、100g以上の無人航空機の登録が義務化され、7月末までに約29万機の無人航空機が登録された。
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 第一回ドローンサミットが9月1~2日、神戸国際展示場で開催される。
主催は、内閣官房小型無人機等対策推進室と兵庫県。基調講演や自治体会議のほか、ドローンを活用する自治体・関連企業など68社・団体が出展する。フードデリバリーや、緊急パラシュート装置のデモも実施予定。