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石井製作所が日本作物学会技術賞 無コ代かき同時播種機で

石井製作所(石井智久社長)は2月17日、代かきと同時に直播が可能な「無コーティング代かき同時播種機」を使った稲作省力化技術が日本作物学会技術賞を受賞したと発表した。東北農研、山形県農業総合研究センター、山形大学等と共同開発した。代かき後の田面の極浅い土中に播種する目的で代かき用ハローに装着する播種ユニットと鎮圧ローラーからなる。

 石井製作所=山形県酒田市京田4―1―13=は2016年から共同研究に参画し、その成果は東北農研が湛水直播栽培技術の向上と普及拡大を図るために昨年春に開催した「水稲無コーティング湛水直播栽培フォーラム」でも紹介されている。
 今回の受賞は、「寒冷地における耐倒伏性品種を用いた水稲無コーティング種子の代かき同時浅層土中播種技術の開発」という業績に対するもの。
 代かきと同時に播種可能なことから資材コスト、人件費、作業時間を大幅に削減することができ、慣行の移植以上の売上と利益を上げることが可能な技術である。
 本格発売から3年以上が経過し、東北を中心に約80軒の農家で導入が進んでおり、近年では関東、信越、北陸での試験導入も進む。石井社長は「稲作の規模拡大を目指す上で直播は考えていかなければならない手法の一つ。地域によって合う、合わないはあるが敢えて挑戦して省力化を図ることで今後の人手不足問題の解決につなげていきたい。本直播法が日本作物学会技術賞を受賞したことは大変光栄。さらなる普及拡大を図りたい」とコメントした。
 本機の特長は、①仕上げ代かきと同時に播種するため省力的②1ha近い圃場でも播種途中の種子補給がほぼ不要であり、連続作業が可能③トラクタを用いるため、田植機が沈車する水田でも播種可能④独自の栽培管理技術を体系化し、水管理と除草体系があり有効性を確認⑤本播種法は播種と雑草発生が同時になるため、雑草制御にも有利などが指摘されている。
 本機を用いることにより、約0.5㎝深の極浅い土中播種が可能で、コーティングしなくても鉄コーティングと同程度の苗立ち率が得られ、同時に浮き苗や出芽前の鳥害の軽減が可能。播種深が浅いことにより転び型倒伏しやすい点は、短稈の耐倒伏性品種「萌えみのり」等の使用により解決した。
 秋田県で行った現地実証試験では、「萌えみのり」の無コーティング直播は「あきたこまち」の移植栽培より収量が多く、10a当たり費用合計を低減できた。「あきたこまち」より販売単価が低くても、10a当たりの売上や利益は移植栽培より多くなることを示した。

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