農林業機械・農薬・資材についての動向を紹介する

井関農機（冨安司郎社長）は12月８日、多くの人に見てもらえるようにということで、今年も動画配信を通じて２０２２年度上半期発売の新商品発表会を行った。テーマは『夢ある農業の実現に向け、ベストソリューションのご提供』。注目の新商品として①ロボット技術・ＩＣＴを活用したスマート農機②規模拡大が進む大規模向け畑作・野菜機械③農業経営者の課題解決に寄与するサービスの強化に関するものを紹介した。本紙ではこれを含め16品目27型式の新商品を順次紹介していく。
　動画では、始めに農場経営体験ができる超人気ゲーム「ファーミングシュミレーター」で遊ぶ同社のキャラクター「さなえちゃん」が登場。国内農機メーカーとして初という同ゲームに採用された井関のトラクタＴＪＶをコントローラーで操作し運転していた。リアルなＣＧが実写に変わり「井関２０２２年新商品発表会」のタイトルが表れた。その後テーマに沿って注目の新商品を紹介した。始めに、ロボット技術・ＩＣＴ等を活用したスマート農機を紹介。
【有人監視による自動田植を実現した井関ドリームパイロットシリーズ・ロボット田植機（８条植・有人監視型）さなえＰＲＪ８】２０２２年２月、いよいよ発売。ロボット田植機ＰＲＪ８は人が乗って植えるのは、ほ場の最外周４辺のみ。内側の部分は全て無人自動運転で作業を行える。
　特長は①無駄がない＝最外周の植え付け作業と同時にほ場の形状も取得、内側は田植え機が最適なルートで作業を行い、から走りや同一箇所の走行がなく、効率的な作業でほ場を荒らさない②長時間作業の疲労低減③オペレーター不足の解消④簡単操作で高い安全性―で、担い手・大規模経営のプロ生産者の課題に応える自動運転ロボット田植機だ。
【ⅠｏＴ高精度ＧＮＳＳ位置情報サービス】新たにオリジナルの「ＩｏＴ高精度ＧＮＳＳ位置情報サービス」を展開する。サービスの内容は、ＮＴＴドコモの基準点と国土地理院が設置する電子基準点の観測情報を位置補正情報配信サーバーに収集し、そのデータを位置補正情報としてユーザーが保有するトラクタなどの移動局やＧＮＳＳ受信機等に配信する。
　使用料は月額３３００円（税込）と手数料。アンテナや基地局などの初期投資は不要で使いたい月だけ契約することも可能。稲作など使用時期の限られている生産者にとっても非常にリーズナブルなサービスとなっている。対象となるのは▽ロボットトラクター『ＴＪＶ』（ＴＪＶ９８５Ｒ・同７５５Ｒ）▽新商品の『さなえＰＲＪ８』▽ＧＮＳＳガイダンス、自動操舵システム搭載トラクタを保有するユーザーとこれらの商品を検討中の生産者で、今後登場する様々なロボット農機への様々な適用が期待される。提供予定２０２２年から。
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　続いて、規模拡大が進む大規模向け畑作・野菜作機械の提案。
【オぺレスタ直進アシスト仕様ＧＥＡＳ・ＮＴＡ―５シリーズ】ディファレンシャルＧＰＳが〝真っすぐ〟を貫き直進作業をアシスト。熟練者不足を解消、疲労軽減。耕うんだけではなく様々な作業において誰にでも簡単に真っすぐきれいな作業ができるので、トータル作業効率が格段にアップする。『井関オぺレスタ』を搭載した中型トラクタＧＥＡＳ「ＮＴＡ５シリーズ」（ＮＴＡ３６５―Ｚ・同５０５―Ｚ・同６０５―Ｚ）が新登場した。
　レバー１本できれいな直進作業を実現した。操作はいたって簡単。始めにハンドル左側の直進アシストレバーを下げ、基準点の「始点」となるＡ点を登録。機体を終了点まで進めもう一度レバーを下げて基準点の終了点となるＢ点を登録。この２点を結んだ基準線を登録し旋回後、レバーを上げると直進アシストで作業を開始し、基準線に対し平行に直進作業をアシストする。
　またアシスト中のハンドル操作はトラクタが自動で行い、アシストの終了もレバーを上げるだけ。不慣れな人も簡単にまっすぐ作業でき、熟練者は疲労軽減し余裕をもって作業できる。
　なお、あぜ塗りの際には始めに手動で５ｍ以上作業し、それを基準点とすることで、その延長線上は直進アシストで作業が行える。直進アシスト『オぺレスタ』は水田から畑作まで幅広い作業で活用できる。うね立て＋マルチ作業、あぜ塗り作業、除草作業（スライドモア）耕起作業（スタブルカルチ／サブソイラ）。不慣れな人でも簡単にまっすぐ作業ができ、熟練者の人は疲れも減って余裕の作業。