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再生二期作に一工夫 オルガミンで草丈不足解消

再生二期作に一工夫 オルガミンで草丈不足解消
高水準で米価が推移する今だからこそ、将来の価格変動や経営リスクを視野に入れ、高品質化や収量最大化に挑む農家が増えている。愛知県西尾市で水田40‌haを経営する羽佐田トラクターの羽佐田辰也氏は、1作目の収穫後に株を再生させる「再生二期作」に挑戦。最大の難関である〝草丈不足〟の克服に天然アミノ酸葉面散布肥料『オルガミン』を活用。化成肥料を使わないほ場より草丈の成長を促し、所有する自脱型コンバインで収穫でき、手ごたえを掴んでいた。
 再生二期作は、一度の田植えで稲を2回収穫する栽培技術。従来の二期作と異なり2回目の田植え(育苗・移植)が不要なため、省力化とコスト削減が期待できることから注目を集めている。羽佐田氏は、水稲を核に、作期を分散した多品種栽培と転作の小麦・大豆を組み合わせているが、新たな収益の柱にと着手。1作目の主食用米(ひとめぼれ)を8月下旬に高刈りで収穫後、残った株を再生させて2作目の栽培を行い、11月中旬に収穫作業を行った。
 「1作目の反収8俵に対し、2作目で4俵ぐらい収穫できればコスト的にも合い、取り組む価値がある」と羽佐田氏。ただ、再生二期作の普及を阻む要因の一つが2作目を短期間で生育させるために草丈が伸びきらず、自脱型コンバインでの刈り取りが難しいこと。その解決に数年前から愛用していたパルサー・インターナショナル(東京都八王子市)の天然アミノ酸葉面散布肥料『オルガミン』で試験を行った。
 18種類のアミノ酸が自然な形で豊富に含まれており、熱処理や化学処理を施さないことで植物への吸収が速く効果が現れるのが『オルガミン』の特長。羽佐田氏は特に味向上や猛暑対策に重視している微量要素が添加されていることに着目して水稲に活用してきた。今回の試験では無肥料区・化成肥料区・オルガミン試験区(液肥として2回葉面散布)に区分けして生育状況を比較。その結果、10aあたりの乾燥籾重量で、無肥料区は240㎏、化成肥料区は313㎏、オルガミン試験区は126㎏だったという。
 羽佐田氏は、「オルガミン試験区は圃場が小さく枕地と外周部の再生が悪く収量増加につながらなかった」と局所的な影響があったとした上で、「粒はしっかり成熟して歩留まりは良く、草丈も化成肥料区と比較して遜色無かった」と評価。オルガミンが持つアミノ酸と微量要素の補給効果が、短期間の再生栽培でも、自脱型コンバインで収穫可能な草丈(50~60㎝以上)まで生育させる効果を感じ、再生二期作の最大の技術的難関を克服できる可能性を示したと分析した。
 「技術としてトライしなければわからないことがたくさんあった」と羽佐田氏。今回の実証の成果を今後の経営戦略に活かす考えを述べた。

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