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MOROOKA林業セミナー 新型Fシリーズ紹介 Jクレ、自動化等の講演も 

MOROOKA林業セミナー 新型Fシリーズ紹介 Jクレ、自動化等の講演も 

全国のモロオカユーザーやレンタル会社など約80人が参加

 諸岡(諸岡正美代表取締役CEO、茨城県龍ケ崎市庄兵衛新田町358)は、11月13日、茨城県ひたちなか市のホテルクリスタルパレスで「MOROOKA林業セミナー」を開催した。12・13日の2日間同社の位置する茨城県で森林・林業・環境機械展示実演会が開催されたことを記念して開かれたもので全国のモロオカユーザーやレンタル会社など約80人が参加。

 講演会でははじめに諸岡社長が挨拶。
「弊社が林業分野に参入してから約20年。日本の急峻な山の中で安全に使えるバランスの良いフォワーダとするため皆様のご意見を伺いながら取り組んできた。更に産業廃棄物処理法の改正を受け、木材破砕機の開発、販売もスタートした。現在、日本の林業は単に木材を生産するだけでなく、林地残材を含めバイオマスという形で活用しようという動きが活発となっている。そうしたなかで、我々のフォワーダ、破砕機はお役立ていただける製品だと思っている。今後も皆様にアドバイス、ご協力を頂きながら全国の森林・林業分野でお役立ちできるような機械を開発・販売していく」と述べた。

 続いて商品企画課の中島真二氏が製品紹介。新型Fシリーズについて、顧客からの指摘・要望に応える形で、コンセプトを①ラインナップの強化②運材性能の強化③荷台・足回りの強化―の3点に設定したと説明。①については、4tクラスのMST40F、6tクラスの同60F、8tクラスの同80F、国内最大級(同社調べ)の11tクラス同110Fをラインナップ予定(MST40F、同110Fは林業展の会場でも披露、同60F、同80Fは現在開発中)。このほか、運転席の向きを180度変えることができる業界初(同社調べ)の全旋回フォワーダMST60FRも紹介した。

 

  
                           丸山氏


  講演では、元日本大学生物資源学部教授で政府のJ―クレジット関連の委員も務めた丸山温氏が「J―クレジット制度における森林・林業の現状」、また森林総合研究所林業工学研究領域収穫システム研究室の中澤昌彦室長が「最新の林業機械動向」をテーマに講演。
 丸山氏は、J―クレジット制度の内容や取組むにあたって必要なことなどを説明。林業分野のJ―クレジットの課題としてプロジェクト申請・登録からクレジット認証・発行までの手間とコスト、プロジェクト登録後に課される義務、創出者には安く、需要者には高いクレジットの価格(1t―CO2あたり1~1・5万円)を挙げ、高いから売れないと説明。需要者側にクレジットの付加的な価値を認めてもらう必要があるとし、情報発信の強化が必要だとした。
 中澤室長は、日本の林業と機械化の現状を述べたうえで、諸岡と協同で開発を進めている自動走行フォワーダの開発の現状を紹介。そのうえで、デジタルデータの活用について、DX、デジタルツインなどのキーワードをもとに方向性を提示。また、今年開催されたオーストロフォーマの様子を多数の写真を示しながら紹介した。
 その後、会場を移し懇親会。はじめに、諸岡昇副社長、若井光浩取締役をはじめ、諸岡幹部及び各支店長が登壇し自己紹介。続いて、今回のセミナーの講演者である中澤氏が乾杯の挨拶。諸岡と森林総研はこれまでも様々な機械開発に取り組んできたとしたうえで、「現在開発している自動走行フォワーダは私がはじめて中心となって開発している機械。こうした開発は諸岡さんの技術力を信用しているからこそやりたいと思って取り組んでいる。そうした技術力は現場のユーザーさんに支えられていると今回改めて感じた。今後も日本の林業のためにご協力頂きたい」と述べた。
 会場には、韓国から林業展に来場し、モロオカの機械の導入を検討したいという顧客も来場、幅広い来場者が集まり積極的に意見交換する様子も見られ盛況だった。最後に若井取締役が来場者に感謝を述べて中締め、お開きとなった。
 なお、翌日には工場見学も行われた。

韓国から諸岡製品を導入したいというユーザーも