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山本製作所 60~80石のビルド乾燥機等

山本製作所 60~80石のビルド乾燥機等

3新製品の前で。鈴木取締役事業部長(左)と松谷副事業部長(右)

担い手対応の新商品 乾燥機用乾式集塵機も

 山本製作所=山本丈実社長、本社:山形県天童市=は10月19日、同本社大会議室で新製品発表会を開催、担い手対応の3機種、大型遠赤乾燥機『ウインディビルドHD―VDR』(80/70/60石)、乾燥機用乾式集塵機『ゴミトルネードDDC―200』、『ドライパル昇降機BE100シリーズ』を発表。実機は潟上市で開催される秋田県種苗交換会会場で披露する。

 

    ウインディビルドHD―VDR
 
冒頭、鈴木淳・取締役農機事業部長が挨拶に立ち「今年のお米の品質は猛暑の影響で乳白米や刈取り水分のばらつきが多く、圃場での軽い胴割れなどがあったが、撹拌機能搭載の当社のビルド乾燥機では、おまかせ乾燥モードなどが好評を得て多くのご注文をいただいた。今後も〝お客様と新しい農業をつくる〟の思いを胸に新商品開発を進め、お客様から喜ばれる提案を継続していきたい。また、また荷受から選別、乾燥、調製、計量までの全てをご提案できるライスセンター販売士への人材育成を進め、お客様の頼れるビジネスパートナーになれるように努めていきたい」と述べた。
 続いて営業部の前田真輝氏が新商品を説明した。
【大型遠赤乾燥機ウインディビルドHD―VDR】これまで19~65石までのラインナップであったビルドシリーズに60・70・80石をVDRシリーズとして追加発売する。現行機HD―DR2の後継機として、ビルドシリーズの、おまかせ乾燥やAⅠ搭載の操作盤、ビルドスコープといった機能を継承しながら、ライスセンター・プロ農家向けに開発した。VDRシリーズの特長は①生産性の向上②メンテナンス性の向上③「Aⅰオート機能」搭載の大きく3つだ。
 ①生産性の向上=▽風胴面積を従来機より約20%大きくした→燃料消費量最大30%削減・消費電力同10%削減▽乾燥速度の設定から「はやい」を選択すると、同じ灯油量・電力量で乾燥時間を従来機比最大25%短縮(小麦の場合)▽排塵性能が大幅アップ=昇降機出口の構造変更により小麦で490%、籾で50%アップ→乾燥効率が向上、次工程の機械トラブルも減少。
 ②メンテナンス性の向上=シャッタベルト、排出調節板もないためメンテナンスフリー。
 ③便利な新機能「Aⅰオート機能」を搭載=乾燥時間に余裕があるかどうかをAIが判断し設定、終了希望時間に合わせてよりお米に優しい乾燥速度を自動で選択する。『Aⅰオート機能』は『仕上げ予約モード』の後継で、休止をはさまず乾燥速度だけを変更するもの。ユーザーが面倒な設定をすることなしに高品質なお米の乾燥ができる。所有する乾燥機がビルドシリーズであればSDカードを購入することでバージョンアップできる。
 ※省エネ制御(張込量自動検出)、ライスドア標準装備(安全性・メンテナンス性)、フロア組立、YCAS NEOなども継承・強化。
 本年12月出荷開始。
【乾燥機用乾式集塵機ゴミトルネードDDC―200】山本独自のトルネード式の乾式集塵機。乾燥機用集塵機でトップクラスの集塵率を実現。乾燥機(送風機・排塵機)から出るゴミをまとめてフレコンに集塵・貯留。
《山本独自のトルネード式集塵機構(特許出願中)》既存の乾式集塵機は動力を搭載しておらず、乾燥機の排風を利用した集塵機構のため、渦流の勢いが弱く、ゴミ・ホコリを取り切れないという弱点があった。山本独自のトルネード式集塵機構は、モータと独自設計の遠心ファンにより強力な渦流を発生させることで、細かいゴミ・ホコリも徹底的に集塵。風力でフレコンに捕集する。
 また乾式で水を使用しないため汚泥を処理する手間や臭いの問題もなし。ゴミやホコリはフレコンに貯留されるため処理も簡単。数回の乾燥に1度のゴミ捨てでOK。
《主な特長》①乾燥機用集塵機トップクラスの集塵性能=既販機・開発機併せて10種類以上の集塵機についてトライ&エラ―を繰り返すことで集塵性能と作業効率を両立させた集塵機を実現。集塵率は98・8%(JISZ8808に基づく)。
 ②フレコン貯留でゴミ処理が容易=乾燥機の送風機と排塵機のゴミ・ホコリをまとめてフレコンに捕集。フレコンスタンドの位置は4カ所から選べる。集めたゴミ・ホコリはフォークリフトで簡単に運搬できる③他社乾燥機にも取り付け可能。
 事前に同社まで相談を。
 ※籾では50石(5t)の乾燥で約45㎏、小麦では50石の乾燥で約30㎏のゴミ・ホコリをとる。
 2024年5月出荷予定。
【ドライパル昇降機BE100シリーズ】低コストながら搬送能力が大きい10インチバケット搭載の昇降機。開発のコンセプトは①大型乾燥機に対応できる搬送能力=現行機では8インチのバケットだったが、10インチバケットにすることで1時間に25tと約2倍の搬送能力になった(作業時間短縮)②低コスト=乾燥機の昇降機をベースに部品の共通化や量産効果などで低コストを実現③昇降機のVブーリ及びホッパは設置場所に合わせた対応が可能。またホッパは流量調節シャッタ付きでどんな機械にもセッティングできる④残粒掃除を簡単に(コンタミ防止)=残粒の受け箱を装備。昇降機下部を簡単に掃除できる⑤汎用性=オプションのマルチ操作盤を使用すれば大豆の搬送にも対応。高さは5.2~10mまで用意。ライスセンターなどの搬送ラインでの利用を想定。
 2024年4月出荷開始予定。
 閉会挨拶は松谷俊弘・副事業部長。「今回のゴミトルネードは開発メンバーがお客様の困り事に真剣に向き合い知恵を出し合い、検証を重ね完成させた。性能と良さを実感して頂き、乾燥施設の周辺環境改善にお役立ていただきたい」と述べた。


                    乾燥機用乾式集塵機ゴミトルネード

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