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ザルビオとKSASでシステム連携の実証  JA全農・クボタ・BASF 衛星画像のマップで クボタ田植機の可変施肥

ザルビオとKSASでシステム連携の実証  JA全農・クボタ・BASF 衛星画像のマップで クボタ田植機の可変施肥
(写真説明) ザルビオフィールドマネージャーで作成した可変施肥マップ(左図)をKSASに取り込んだイメージ(右図)


JA全農・クボタ・BASFデジタルファーミング社及びBASFジャパン(以下、総称しBASF)は、JA全農とBASFが国内において開発・推進する栽培管理支援システム「xarvio FIELD MANAGER(以下、ザルビオフィールドマネージャー)」とクボタが開発・推進する営農・サービス支援システム「KSAS」のシステム連携の実証試験を開始した。人工衛星センシング画像からザルビオフィールドマネージャーが作成した可変施肥マップのデータをKSAS経由で取り込んだクボタ製田植機で施肥作業を行い、システム機能や操作性を確認する。

 この実証試験では、人工衛星センシング画像からザルビオフィールドマネージャーが作成した可変施肥マップのデータをKSAS経由で取り込んだクボタ製田植機で施肥作業を行い、システム機能や操作性を確認する。

 日本農業は、担い手の減少、高齢化による労力不足が課題となっており、農地集約により経営体当たりの栽培面積が拡大しており、スマート農業の導入による生産性の向上が求められている。

 また、政府が策定した「みどりの食料システム戦略」では、化学肥料使用量の30%低減が掲げられていることや、海外情勢の変化に伴う農業資材価格の高騰により、無駄がなく効果的な施肥の必要性が高まっている。
 こうした課題解決に向けてJA全農とBASFは、栽培管理支援システム・ザルビオフィールドマネージャーを2021年4月から日本に導入し、普及を進めている。ザルビオは人工衛星解析による作物の生育状況の見える化や人工知能(AI)による生育予測、病害や雑草の発生予測を行い最適な栽培管理を提案・支援するシステムだ。また、人工衛星センシング画像から見える化した生育状況を基に、圃場内の施肥量を調節する「可変施肥マップ」を作成することができ、対応農機を連携することで施肥量の最適化を行うことが可能だ。
 
 クボタは、圃場情報や作業履歴、収穫実績、農機の稼働情報等をパソコンやスマートフォン等を使って管理・閲覧できる営農・サービス支援システムKSASを提供。作物、作業情報の見える化で、安全・安心でおいしい農産物を効率よく生産することをサポートする。また、KSAS対応農機と連携させることで、作業日誌の自動作成や、KSASで作成した可変施肥マップを用いた施肥作業などが可能だ。

 3者は、生産性向上と無駄な肥料の抑制の両立に役立つ可変施肥をより普及させるため、KSASとザルビオフィールドマネージャーのシステム連携に向けた実証を開始する。ザルビオフィールドマネージャーからKSASへのデータ移行にはクボタが提供するデータ連携ツール「KSASAPI」を使用する。

 この連携で、ザルビオフィールドマネージャーの可変施肥マップを用いたKSAS対応田植機での可変施肥作業をシームレスに行うことが可能になる。またKSASで可変施肥マップ作成時に参考とする作物生育状況や前年の収穫結果等のデータが揃わない圃場でも、ザルビオフィールドマネ―ジャーの人工衛星センシング画像から作成した可変施肥マップを使用することで、手軽に可変施肥を始めることができ、作業内容を自動でKSAS上の日誌に記録することも可能になる。また、これまではザルビオフィールドマネージャーの可変施肥マップデータはUSBメモリーを介して農業機械に取り込んでいたが、KSASとのシステム連携により物理的にデータを持ち運ぶことなくデータ移行が行えるようになる。

 今後は、KSASのKSASAPIを活用してザルビオフィールドマネージャーとKSAS間のシステム連携を行い、ザルビオフィールドマネージャーの可変施肥マップを基にしたKSAS対応田植機による可変施肥を実現することで、効率的なデータ移行による農業現場の労働生産性の向上、施肥量の最適化による生産コストの低減を目指す。

 2023年度はKSASAPIを活用したザルビオフィールドマネージャーとKSASのシステム連携機能の開発、ユーザー圃場での可変施肥の実証を行う。実証試験ではユーザーによる機能や操作性の評価も行う。連携機能の正式リリースは2024年春を予定している。

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