農林業機械・農薬・資材についての動向を紹介する

芝草管理機メーカーの共栄社（林秀訓社長）は、かねてよりゴルフ場コース管理の超省力化と高効率化を実現するためにテスト販売を行ってきたバロネス無人芝刈機「無人５連リールモアＵＬＭ２７１」を11月に正式販売する。新製品は人工衛星の測位システムを利用した無人芝刈機であり「芝刈機メーカーとして正式販売しているのは世界でも当社だけ」としている。
　共栄社＝愛知県豊川市＝は、人口減少によるゴルフ場作業者の人手不足や技術伝承の問題が将来的に起きることを予見し、２０１１年からＩＣＴ技術を応用した無人芝刈機の開発に本格的に着手。これまで多くのプロトタイプを開発し、入念に実施テストを繰り返してきた。特にゴルフ場で最も省力化が求められるフェアウエイでの刈り込み作業に注目し、フェアウエイモアの無人芝刈機の開発を進めてきた。２０１９年９月から開始した２年間のテスト販売を終え正式に販売を開始するに至った、まさに待望の新製品だ。
【特長】▽オペレーション技術の蓄積と伝承＝ティーチ・ＭＡＰ方式を採用することで熟練スタッフの「刈り込み作業データ」を記憶し、同じホールでも違う作業形態（刈り込み方向、クリップピッチ等）を簡単に記録することができる。そして機械の大型タッチパネルから再現したいデータを選択することで、簡単にプレイバックができる。プレイバックの繰り返し精度は±1.5㎝。ティーチデータをパソコンで編集することも可能▽コース管理スタッフの人手不足解消＝フェアウエイを刈り込み中に、コース管理スタッフは他の作業を行うことができ、１人で複数の作業を可能にする。また、無人運転は時間を選ばずに作業をすることができるため、コース管理スタッフの人手不足の解消につながる。休暇取得や突然の退職による作業シフトへの影響も軽減でき、働き方改革にもつながる▽コース管理の更なる高効率化＝追従機能により先行する有人の機械に無人芝刈機を作業場所まで追従させることができる。無人芝刈機の作業中に同時進行で有人による他の作業を行うことができ、大きな作業時間の効率化をもたらす。無人芝刈機の状態はＢＭＳ（バロネスモニタリングシステム）で管理しており、ブラウザーで遠隔監視できるため、現在地や各パラメータ（燃料、水温等）を確認し、効率的な管理が可能となる。
　同社では、今後、ラフモア、管理機と無人機シリーズのラインナップを拡充していく予定。「将来的には１人のコース管理スタッフが複数台の無人機を操作し、同時に作業ができるという画期的なターフ管理の効率化を目指し、無人機をゴルフ場管理機の次世代のスタンダードにしていきたい」としている。