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パプリカに新旋風 テヌートの「ブレス」で増収

パプリカに新旋風 テヌートの「ブレス」で増収

高度化ハウスでパプリカ栽培、植物工場でレタス栽培などを行うJAいずもアグリ開発㈱(島根県出雲市)では、いずれの施設にもテヌートのCO2局所施用コントローラー「ブレス」が導入され、作物の増収に大きく貢献している。ブレスで局所施用するCO2は、製鉄所や発電所などから放出される排ガスから分離回収して再利用されるので地球環境に優しい。また、局所施用は燃焼式よりもコスト削減につながる。

 9月下旬にパプリカ栽培の現場に足を運ぶと、三島雄太取締役(30歳)が作業中の手を休めてその仕組みを丁寧に説明してくれた。パプリカハウスは3棟で栽培面積は30aである。ハウス内は葉っぱが繁茂しており、色づいたパプリカが大きな葉っぱの合間から姿を見せている。光合成によるCO2の吸収は葉面積(気孔の多さ)に比例して多くなるので、ブレス導入の効果は葉っぱの大きさですぐに分かる。

 パプリカの収穫は6月から始まる。ただし、高温になると受精しなくなるので、夏場の収穫はほぼなくなり、10月から本格的な収穫を再開する。輸入品が多いパプリカだが、夏場のパプリカは競合産地が少ないため、この時期に収穫できれば、国産パプリカにとっては市場拡大につながる。売り場も夏場に途絶えることなく継続される利点がある。

 三島氏によれば、夏場はハウスも開けっ放しなので、液化炭酸ガスの使用量を制限し、代わりにテヌートの指導の下、ブレス機能の一つである圧縮した空気(Airと呼ぶ)にしたところ、パプリカの夏期の収穫量が約2倍、年平均して3割の増収効果が得られたという。

 現在は9時から13時までCO2を局所施用し、あとはAirでカバーする。ブレスの良さは、コントローラーで区画ごとに制御が利くことである。Airは1分間に20ℓ、CO2は10ℓに設定。10分施用して20分止まるので1時間に2回施用する計算だ。ブレスにはGPS時計が内蔵されており、日の出と日の入り(日没)が自動で設定される。センサーはハウスの真ん中にぶら下げてられ、1秒単位で測定する。センサーパネルにはハウス内のCO2濃度、湿度、飽差が表示され、データをコントローラーに保存することも可能である。

 一方、ブレス導入の思わぬ副作用もあった。CO2施用することで樹勢が良くなり、これまでは必要なかった夏場の摘果という新たな作業が必要となった。「最も合理的なブレスのかけ方はまだ正直分からない」と三島氏は語っている。島根県農業技術センターでもAir施用の効果について今後試験を予定しており、基準となる目安を示す考えだ。このユニークな増収技術は夏秋パプリカ栽培の新旋風となりそうだ。

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