<![CDATA[メディア]]> https://www.nouson-n.com/media/ Sat, 10 Jan 2026 03:11:03 +0900 Tue, 06 Jan 2026 12:00:00 +0900 CMS Blue Monkey http://blogs.law.harvard.edu/tech/rss <![CDATA[令和の米騒動 需要の増加が要因 インバウンド需要などで]]> https://www.nouson-n.com/media/2026/01/06/10342  今回、価格が上昇した大きな要因は農水省の需給の見誤りによるところが大きい。
 農水省はこれまで、翌年産の需要見通しと、生産量の見通しを人口減少等に基づく需要のマイナストレンドの継続を前提として作成してきた。一方、実際の需要は、直近2年は増加傾向にあったことがわかっている。その要因としては、①令和5・6年産とも高温の影響で精米歩留まりが悪化し、より多くの玄米が必要となった②コロナ明けでインバウンド需要が急増した③米不足に対する不安等により家計購入量やふるさと納税の返礼品が増加した――ことが挙げられる。例えば精米歩留まりで言えば、令和2~4年産の平均が90%に対し、5年産88・6%、6年産89・2%。この歩留まり減少により精米供給量は令和5年産で10万玄米t程度、6年産で6万玄米t程度減少したとみられる。
 具体的に需要量と生産量のズレをみてみると、米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針では令和5/6年の需要量は705万tに対し精米歩留まりを踏まえた需要量推計は717万t。一方生産量は661万tで需要と生産の誤差は56万t。令和6/7年は基本指針の需要量が711万tに対し、推計需要量は707万t。これに対し生産量は679万tで需要と生産のギャップは28万tとなっている。
 このため、在庫の取り崩しが行われ、令和4/5年197万tが令和5/6年153万t、令和6/7年は121万tにまで期末の民間在庫量が減少している。 こうした分析を踏まえ、昨年11月には、「米の安定供給に係る短期的な対応策」がまとめられた。
 主な柱は①生産量に関する統計調査の精度向上②需給の変動に柔軟に対応できる需給見通しの作成③流通構造の透明性確保のための実態把握の強化等④今後の備蓄政策について――の4点。
 このうち、生産量に関する統計調査の精度向上では、ふるい目幅の見直し(新たに生産者ふるい目を公表)のほか、白未熟粒、着色粒等の割合の公表が令和7年産から実行されているほか、これまでの坪刈り調査に加え、試行的にJA等の乾燥調製施設のデータを統計的に活用可能か検証することとし、令和7年産は約600経営体で、令和8年産で約5500経営体で調査手法を検証。その後統計委員会の承認を経たうえで、令和9年産は約2万1000経営体での実施を目指す。]]>
Tue, 06 Jan 2026 12:00:00 +0900
<![CDATA[新春特別インタビュー 渡邊毅事務次官に聞く]]> https://www.nouson-n.com/media/2026/01/06/10341 農業を“儲かる産業”に   サービス事業体の存在が重要

  昨年4月に食料・農業・農村基本計画が閣議決定され、基本法の理念の実現に向けて、新たな農政が動き出した。一方、一昨年から続く米を巡る混乱、否応なく進む担い手の減少・高齢化、高止まりを続ける生産資材等の価格とそれを十分に反映しきれていない農産物価格など対応すべき課題は山積している。今回、新春特別インタビューとして、農林水産省の渡邊毅事務次官に山積する課題への対応や今後の農政の方向性などを聞いた。

 ――昨年、新たな食料・農業・農村基本計画が閣議決定されました。計画のポイントは。

「一昨年6月に25年ぶりに新たな食料・農業・農村基本法が改正されました。この新基本法の具体化を図るために策定されたのが、今回の基本計画です。改めて基本法の柱を紹介すると、①食料安全保障の確保②環境と調和した農業③農業の生産性・付加価値の向上と農村における地域社会の維持・振興――の3点です。このうち、食料安全保障については、農業生産の増大を基本としつつ、安定的な輸入と備蓄を行うことで確立します。今後人口減が予測されるなか、それに合わせて生産を縮減していては食料安全保障を確保できません。輸出を含めた生産の拡大と生産者の所得向上を図る必要があります。重要なのは『生産基盤』をしっかり維持していくことです」

「『生産基盤』とは、『人』『農地』『技術』『資源』などが挙げられますが、それらについて、それぞれ、具体的な目標(KPI)を定めたのが今回の基本計画の大きな特徴の一つです。例えば、49歳以下の担い手数について現在の水準を維持する、農地の確保については412万haの農地面積を維持する、生産性向上の点では米・麦・大豆の単収を1~2割上昇させる、などです。このKPIについては、定期的に見直し、成果が出ているものについては更に押し上げる、成果が出ていないのであればやり方を変える、といった形で見直しを進めます。これが基本計画の大きなポイントです」

 ――食料・農業・農村基本法成立後の初動5年間を農業構造転換集中対策期間として取組を強化されていますが、その初年度となる令和7年について。

「担い手を減らさない、農地の集約化、単収を上げるといったソフト面での目標を実現するためには、ハード面での対応が重要となります。例えば農地の大区画化や共同利用施設の再編集約・合理化などです。これについては別枠予算として、今後5年で事業費として2・5兆円(国費で1・3兆円程度)を目指しており、令和7年度補正予算で約2400億円を計上しました。当初予算でもしっかり確保していくことが必要です。また、共同利用施設の再編集約・合理化については、令和7年度予算から取組が始まっていますが、現場からは資材費や人件費の高騰に伴い地元負担を軽減しなければ、再編などが進まないとの声を頂戴しており、令和7年度当初予算では、通常2分の1補助を県が5%、市町村が5%上乗せで補助することで計60%の補助としました。この補助率について、令和8年度予算では、更に地元負担を軽減するため、県・市町村とも8・3%まで引き上げることで、全体で3分の2補助とするとともに、県や市町村が負担する分については、地方財政措置で支援することとしています。これらをもとに共同利用施設の再編などを更に加速させたいと思っています」

 ――全農が掲げる91農業(自らの生活の1割に農業を入れる)について。

「今回の米を巡る問題でも消費者と生産者の距離が非常に離れてきていることも要因の一つとなっています。そうした点からも消費者が農業生産の現場に参画し、農業を知ることは非常に好ましいこと。ただ、農村の人口が減少していく中、それだけでは上手くいかないと思っています。農林水産省で地域政策として行っているのは、農村と企業を繋ぐということです。日本の企業は高い技術を持っていますが、地域の抱える課題についてはよく知りません。一方、農村の人は企業がどんな技術や能力を持っているか知りません。近年、その両者を繋ぐ存在として貢献する地方銀行が出てきました。農林水産省としては、そうした取組を横展開するため、「『農山漁村』経済・生活環境創生プラットフォーム」を立ち上げており、すでに600以上の企業にご参加いただいています。例えば、日本郵政と地方農政局が協力し、農村の課題を把握した地方農政局が日本郵政の支社に繋ぎ、物流の問題だけでなく郵便局で手助けできないか検討するといった活動も始まっています。これはまだ、一部の農政局管内でしか行われていませんが、全国的に横展開したいと考えています」

 ――昨年8月から米を巡る混乱が続いていますが、改めて今回の混乱について。

「一昨年8月の南海トラフ地震臨時情報をきっかけに価格が徐々に上昇、4月以降4000円台(精米5㎏)となり、それ以降ずっと高い水準で推移しています。その要因について、政府全体で検証を実施した結果、生産量が減少したのではなく、需要が伸びたことによって需給ギャップが生じてしまったことが要因だとわかりました。ただ、需給ギャップは50万t程度であり、全体の需要約700万tのうち、50万t振れただけでこのような事態となるのは良くないことだと考えています。今回、50万t程度にも関わらずこのような混乱となったのは、一つには農協以外に流れていた部分が全く把握できていない、流通の不透明さ。加えて、当初『生産が足らなかった』との声もあった通り、農林統計に対する信頼性の低下。そして、もう一つは、需給ギャップを埋めるはずの民間在庫がすでに売り先の決まっているものばかりで、需給調整の『バッファ』として機能しなかったこと。以上の3点です」

「こうしたことから、政府では短期的にすべきこと、中長期的にすべきことに分け、昨年11月28日には短期対策をまとめました。具体的には、流通の実態をしっかり把握するということ。もう一つは統計の見直し。将来的には人工衛星やデータを活用し、作付面積や収穫量をより正確に把握できるよう見直します。最後の一つ、備蓄については、民間での備蓄の検討や需給の見通しを幅を持って行うこととしています」

「中長期的には、令和9年度からの水田政策の見直しの議論をしっかりやっていくということになります。その方向性については、基本計画でも書き込まれていますが、一つは作物ごとの生産性向上の取組を支援するという方向へ転換します。米については、輸出や米粉など新たな市場開拓を含め需要開拓を進めていきます。更に大区画化やスマート化、青刈りとうもろこしなど国産飼料や麦・大豆の生産性向上などが挙げられており、その具体化を今後進めていきます」

新技術の普及を後押し


 ――大区画化とも関連することですが、昨年3月末までにまとめられた地域計画では、全国1万9000カ所で策定されていますが、将来の担い手がいない農地が3割程度あるなど課題も多いと思います。今後のブラッシュアップの方向性をどうお考えですか。
「地域計画は簡単に言うと、どの農地を誰が担当するかを決める計画。今回わかったのは10年後の担い手が決まっている農地は面積で1割程度しかなく、3割程度は未定。地域によっては6割にのぼるところもありました。このままにしていては耕す人のいない農地が荒れてしまうのは明らかです。耕す人がいない農地には担い手を位置づけられるよう計画をブラッシュアップしていく必要があります。そのためにはまず用途に応じてエリアを定めるということ(例えば、田畑のブロックを定め、『米を作る』『野菜を作る』など作物や栽培手法に応じたエリアを作るなど)。また、担い手がなかなか見つからないということであれば、新規就農者を呼びこむことになりますが、その際には営農がしやすいよう耕作する農地を団地化することなどが想定されます。いずれにせよ、国の職員もその現場に入ってアドバイスするなど、できる限りの支援をしたいと思います」

 ――新規就農者を増やしていくために必要なことは。

「まず、基本的には農業が儲かる産業にならなければなりません。そのためには、今頑張っている方が、付加価値の高い商品を作って高く販売する、生産性向上でコストを下げるといった工夫が必要です。儲かる農業に向けては、みんながやらないことでも、ニーズがあるところを狙って生産すると良いのではないでしょうか。例えば、玉ねぎで言うと、加工・業務用は価格が安く敬遠されています。しかし、ある農家の方は加工・業務用に限定して大規模に生産し、皮むきまで行って出荷することで、高単価で儲かる農業を実現されていました。誰もが儲からないと思うところを工夫して専門にやったことで一人勝ちになっています。初めから無理だとか、儲からないと諦めず、ニーズがあるところはどこか、そこで儲けるにはどうしたら良いかをよく研究すれば、それを打破する方法を見つけることができます。需要側がどういうことを求めているかを知ることが大切です」
「また、農地については、新規就農者にとって、所有するという形はハードル、リスクが高すぎます。借りるという形が一番適していると考えており、そのためにも農地中間管理機構(農地バンク)の役割は重要となってきます」

 ――基幹的農業従事者が20年間で約4分の1にまで減少すると予想されるなか、今後益々少ない人数でより多くの面積に対応しなければならなくなります。そうしたなかで、カギとなるのは、水稲で言えば直播栽培などの栽培技術と、スマート農業技術をはじめ、機械・資材だと考えております。「より省力的な技術」の普及に向けてどのように進めていかれるのでしょうか。また、スマート農業機械を含め、省力的な機械・資材の普及に向け、メーカー及び農業機械販売店など農業機械業界に期待することは。

「省力化に向けては直播に代表されるような省力化に資する農法の採用のほか、省力化機械と機械に合わせた栽培方法をセットにしたスマート農業の2通りに分かれます。前者、農法については直播の他にも近年は再生二期作の取組も始まっています。乾田直播については、技術的には更に難しいものではありますが、節水型乾田直播といった、より省力的な技術も出てきています。そうした新たな技術で省力化を図ってコストを下げていくということは後押ししていきたいと思います」

「もう1点のスマート農業については、法律(スマート農業技術活用促進法)もできたので、それをもとに、まずは機械の研究開発、特に、従来から言われていることですが、果樹や園芸など機械化が遅れている分野について、国が率先して開発を進めていきます。また、その機械を使う人をどうするかもポイント。これまでは農家がやるのが普通でしたが、今後は『サービス事業体』の存在も重要になります。メーカーや販売店自身が、機械の販売だけでなく、作業代行などのサービスを提供する方向へ切り替えることで、農家負担を下げていくことにも期待しています」

「また、もう一点お願いしたいのが農作業安全。依然として機械を巡る事故は多いです。農家の方にしっかりと間違った使い方をしないようにご指導いただきたいと思います。加えて機械メーカーの事故を回避できる技術の開発にも期待しています」。]]>
Tue, 06 Jan 2026 12:00:00 +0900
<![CDATA[2026新春インタビュー「激動の時代の舵をどう取るか」 三菱マヒンドラ農機CEO取締役社長 齋藤徹氏に聞く]]> https://www.nouson-n.com/media/2026/01/06/10340 農家目線の機械提供 本業守りながら多角化を

 ――2025年の概況。

「国内は、主食用米の高値が農機業界を元気にしている。2024年の秋頃から需要が戻ってきた。それまで、農家は低米価のため、効率を上げられる機械が欲しいと思っても我慢、更新が必要になっていても我慢、というようにしてきたのだろうが、いまはその反動とも言っていいほどの購買意欲の力強さを感じている。特に年末までは旺盛な注文が続くのではないかと思っている。当社は年内納品の要望に応えられる機種を提案するなど営業現場も対応に追われており、極力、お客様にご迷惑をおかけすることのないよう生産・供給体制を整えるよう努めている。一方、米の乾燥・調製関係の需給は別で、今年納品できなくても、来シーズンのために発注していく農家も多い。今発注しておかないと、来シーズンも手に入らない場合があるようだ。来年度まではそのような受注残もあるので、比較的安定した状況で推移するだろうとみている。ただし、令和7年産米は作柄が良く、かつ大豆や酒米・飼料用米から主食用米に転換した農家さえもあって増産が進み流通在庫も積み増されているだろうから、米価が高止まりを維持することは考えにくく、市場動向は読めない。消費者が買える価格で、かつ生産者である農家が生産意欲を維持していける価格に早く落ち着いてくれることを願っている」
「新商品では、好評のディスクハロー『KUSANAGI』の第2弾として、ボリュームゾーンである60~105馬力トラクタに適応する『KUSANAGI Plus MDH2022』を昨年8月に発売したが、反響が非常に良い。発売直後にもかかわらず、ホームページの動画再生回数がすでに160万回を超えた。農機の動画で100万回を超えるものはそうそうないらしく、農家の方々に興味を持っていただけていると思っており期待している。実績はこれからだが、実演依頼を確実に実績に結び付けていきたい。良い土を、速く(一般的なロータリ―の1/4の高速作業)、簡単に作れるので実演を通じて広くお勧めしていきたい。また、水田適用性も十分に向上させた小型トラクタXS(クロスエス)も順調に実績を伸ばしている。もう1機種、田植機XPS6とXPS8。これらは、今後益々大型化していく稲作にぴったりの機械だ。疎植も密植も同じミッションでできる、また業界最高速の1・95m/s。SEナビ仕様も準備万端にして、春に向けて積極的に売っていきたい」

 ――会社の構造改革。

「引き続き事業の効率化も進めてきた。営業拠点の統廃合・再編もその一つだ。やはり農家も減り、お客様も減っていく中でこれまでのような多店舗展開は難しくなっている。現在全国の拠点数が80くらい。これくらいがベストの体制だと考えている」

 ――海外は。

「輸出は相変わらず厳しい状況が続いている。我々の海外事業のほとんどは米国向けのトラクタだ。トランプ関税は一般的には相互関税15%に落ち着いたが、農機は一般的な相互関税の対象外の鉄・アルミの派生製品部分が9割近くあり、すべて日本製造の弊社のトラクタは関税のインパクトが大きい。関税を負担するのはマヒンドラの現地法人だが、価格転嫁をせざるを得ず、そういうことからも販売にブレーキがかかっている。もうしばらくは我慢、様子見をするしかないと思っている。北米向けトラクタの輸出は2021年がこれまでのピークで9500台ほどだったが、今は大きく落としている。そこを何とか国内事業で補っている状況だ。市場動向を注視しつつ在庫調整は進めており、その調整が終われば出荷も増えていく。今が底だと思っている。米国以外については、私が就任以来開拓してきたベネルクスやトルコへの輸出地域拡大をしてきた」

 ――2026年の展望。

「国内は米価がカギになる。KUSANAGI Plusのような新商品もある。また市場も大きく冷え込むことはないと思うので、今の勢いを維持できると考えている。そして海外、北米は在庫調整も進んでいるので2026年にはさすがに上向いてくるだろうと期待を持って見ている」

 ――2026年の事業方針。

「まずは、我々らしい、農家のニーズに根差した農機の提供をしっかりとやっていく。身の丈を超える、スマート農機やITを追いかけなくとも、我々が培ってきた農機本来の基本技術の深化で、農家のお役に立てる農機の提供はできる。また、これからも海外から、日本の農業に役立つ作業機なども持ってくる。さらに三菱重工とのコラボレーションも我々の強みだ。その1つが三菱重工製の空調機と秀でた空調制御技術とに我々の施設園芸のノウハウでハウスや栽培棚などメカニカルな部分を組み合わせた夏秋イチゴの施設。これが軌道に乗りつつある。京都・八幡市の観光農園『おさぜん農園』が8月に実証試験として使用したハウスを私共で商業用に改修した施設を使って夏秋イチゴの観光農園をオープンしたが、そのイチゴの出来が素晴らしい。事業としても採算性に優れ、さらに拡大したいといわれている。美味しいイチゴが夏でも提供できるとなれば、その市場規模は大きい。この展開にはかなり期待している。もう1つ、紙マルチ田植機。ここのところの米価高騰で有機米の需要は落ちるのではないかと危惧する声も頂いたが、有機米生産をやる人は自分なりの信念やこだわりを持っている人。落ち込みはない。先日、協定締結している埼玉県幸手市は学校給食に広げていく話がまとまった」

 ――2026年は創業111周年にあたりますね。始まりを意味する1が3つ。111周年への想いを。

「日本の農機業界には100年を超える老舗企業が多い。長く続いていくためには、伝統に裏打ちされた自社の本業をしっかりと守りながらも、事業の多角化を進めていくことが必要だと感じている。農機の市場が縮小する中、日農工の会員さんでも農機だけで成り立っている会社は多くない。我々も農機で培った専門性と技術力、エンジン以外は全て自前で鈑金・塗装まで賄える製造業の一貫技術を持っているという強みを生かせる事業展開も模索している。あわせて、自動車や電機など様々な業界ともコンタクトを取り、連携について具体的な話も進んでいる。他企業のものを請け負う時の難しさの1つは企業ごとに異なる品質基準の考え方だと感じている。ただ、困難はあれどもやっていく価値があると思っている。〝Together We Challenge~挑戦する喜びの共創~〟。全社員とともに、これを念頭に2026年も前進していきたい」

 ※本インタビューは昨年12月に行ったものです。

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Tue, 06 Jan 2026 12:00:00 +0900
<![CDATA[2026新春インタビュー「激動の時代の舵をどう取るか」 井関農機 代表取締役社長 冨安司郎氏に聞く]]> https://www.nouson-n.com/media/2026/01/06/10339 ZEROから見直す 創業的変革をリードする

 ――創立101年、新たなステージに新年の抱負を。

「お客さまをはじめ、全てのステークホルダーの皆さまのご愛顧とご支援に改めて心より御礼申し上げます。当社は、創業者・井関邦三郎の『農家を過酷な労働から解放したい』という熱い想いから始まり、その想いを連綿と受け継ぎ、農業の生産性向上や住みよい村や街の実現への一翼を担ってきた。いま、農業や景観整備事業は、食や人々の暮らしを支えるエッセンシャルビジネスとして重要性が再認識されている。これらを支える井関グループは、皆さまの〝Your essential partner〟として、これまでの100年、この先の100年も「かけがえのない」存在であり続けるため、お客さまに寄り添う事業活動を通じて、豊かな「食と農と大地」の創造に貢献していきたい」


 ――2025年の概況。
「米国の通商政策の影響や物価上昇による景気下振れのリスク、異常気象の常態化や食料安全保障の問題が顕在化した年となった。その中、当社は、2024年から、次の100年につながるプロジェクトZ施策を進め、当初2年間を抜本的な構造改革に集中的に取組む期間と位置付けてきたが、主要施策の打ち手はほぼ計画通り進んだ。その成果が本格的に出てくるのは26年以降になるものの、国内は米価の回復による購買意欲の増、また欧州の堅調な販売実績に支えられて、第3四半期(1~9月)業績は増収増益、通期連結業績予想も売上高を前年同期比125億円増の1810億円と発表、連結化後過去最高となる見込みだ」


 ――26年の業界展望。


「日本農業の最大の課題は、農業就業人口の減少。限られた人数で耕作面積を維持するためには大規模化と先端技術を活用した効率的で生産性の高い農業が不可欠だ。農業によるCO2排出の抑制、有機など環境への取り組みも必須だ。今後24年~26年度の試行実施を経て、全ての補助事業等に対し、最低限行うべき環境負荷低減の実践を要件化(愛称:みどりチェック)され、農水省の補助金等の交付を受ける場合には、環境負荷低減の実践が必須となる」

 ――プロジェクトZ。

「当社の課題である、収益性と資産効率の低さを改善すべく2024年に『プロジェクトZ』施策を策定・始動した。聖域なき事業構造改革を実行し、並行して、次の100年の礎をつくるため成長戦略をしっかりと打っていき、成長セグメントに経営資源を集中させる。25年までの2年間を抜本的な構造改革に集中的に取組む期間と位置付けてきたが、主要施策の打ち手はほぼ計画通り進んだ」

 ――構造改革について具体的には。

「具体的には生産最適化・開発最適化・国内営業深化が3本の柱だ。生産最適化では、生産を集約することで生産の効率化や平準化を図る。併せて間接業務の効率化や在庫の圧縮と効率運用につなげる。松山・重信・新潟の建屋新設に着手した。12月熊本での生産を終了し、26年に松山へ移管。開発最適化は設計の仕方をゼロから見直す。グローバル設計を進め、機種・型式を削減(30%以上)、部品1つ1つの見直しまで着実に進めた。国内営業深化は、販売会社の経営統合を行い、1月1日にISEKI Japanを発足、井関農機との重複業務の見直し、在庫拠点・運用の最適化や物流体制見直しによる物流費の圧縮等を図るとともに、成長戦略への基盤を構築。また大規模企画室が稼働し計画通りに進捗。ただし、これらの施策の効果はすぐには出てこない。26年以降、本格的に結果を出していく」

 ――国内の成長戦略。

「国内では、大型・先端・畑作・環境を成長分野として注力する。また、草刈事業も展開していく。
大規模企画室で従来の販売会社が持つ商品や地域特有の環境や作物に対するノウハウと先端・環境技術の現場普及で実績のある夢ある農業総合研究所が持つノウハウを結集させていく。担い手へのマーケティングの強化や農業に参入する企業向けBtoBあるいは自治体向けBtoG取引拡大に向けた推進を強化する。大型商品の投入も順次進めていく。昨年の国内の販売実績に大きく貢献したのも、大型スマート農機『JAPANシリーズ』だったが、大型機種の売上高比率は2030年に5割以上に引き上げる。また、大規模イベント『ISKEIアグリJAPANフェスタ』を各地で開催。大規模経営の生産者様とのコミュケーションの拡大を目的に、全国各地での実演やソリューションの提案など、新たな価値を提案していく。自動化技術やセンシング技術、データを活用したスマート農機は省力化・省人化など効率的で精密な生産性の高い農業の実現に不可欠だ。自動化は、田植機8条クラスでは約7割が直進アシスト仕様となっており、今後、更に伸びると考える。センシング技術では、可変施肥による効果は、生育面だけではなく環境面やコスト面等でも大きい。環境では「環境保全型スマート農業」を推進、アイガモロボIGAM2は、軽量・低価格で有機栽培だけでなく、慣行栽培での導入も出てきている。また欧州を中心に実績のある景観整備商品を日本国内へも展開し、2030年に24年比2.5倍の100億円を目指す」

 ――海外の成長戦略。

「欧州市場は、進出から60年近い歴史があり、井関ブランドが一番定着している。今後は、25年1月に連結化したISEKI UK社、ISEKIフランス社、ISEKIドイツ社を含めた欧州3社体制で共同購買を通じた商材の拡充、今までできていない地域への展開などビジネスの拡大を進めていく。北米市場は、AGCO社にOEM供給しており、地域特性に応じた製品拡充を進めている。アジアは東アジアとアセアン。東アジアは韓国が中心となるが、日本同様に大型化が進展している。大型・高性能クラスの農機を使用するプロユーザー層をターゲットに、現地販売代理店と協力しながら、ニーズに合った商品を開発導入していく。アセアンはタイ・インドネシアが中心だが、更なる新規取引国拡大を図り、タイのIST社と生産拠点のインドネシアを核に周辺諸国へ販売・サービスの供給体制を構築していく。低価格・高耐久製品への需要が根強い。こうしたニーズには、2018年に技術・業務提携契約したインドの大手農業機械メーカーTAFE社からの部品供給やOEM製品の導入により、製品ラインアップを拡充していく」

 ――2026年へ向けて抱負を。

「変化の激しい時代だからこそ次の100年に向けて変えていかなくてはいけない。「ゼロ(ZERO)」から見直す「創業的変革」をリードしていく」

 ※本インタビューは昨年12月に行ったものです。

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Tue, 06 Jan 2026 12:00:00 +0900
<![CDATA[2026新春インタビュー「激動の時代の舵をどう取るか」 ヤンマーアグリ代表取締役社長 所司ケマル氏に聞く]]> https://www.nouson-n.com/media/2026/01/06/10338 海外売上30年に2倍 国内はスマート・大型化

 ――2025年の概況。まず、国内について。

「国内は、米価高騰によって機械投資意欲が高まり、商品の購買だけでなく整備売上も増加した。一方で、加速度的に進む農業従事者減少への対応は急務で、スマート農業がキーとなっている。ヤンマーでは直進アシスト機能をトラクターでは全YTシリーズに装備、コンバイン、田植機、乗用移植機にも仕様設定しており、オート機能(ロボット)も、トラクター、田植機に加え、コンバインにも拡充している。今年、隅刈りまで自動化したオートコンバインも上市した。また、ラジコン草刈機も好調。これらが販売をけん引した。今後、この分野はさらに拡充していく必要がある。機械の大型化が進む中、それに対応できる整備士の教育も強化している。また、協力メーカーの作業機とヤンマー製品を組み合わせて販売する。一方で国内にない作業機は必要に応じて海外からスピーディーに調達して提供していくことは引き続き進めていく。ヤンマーの密苗は着実に普及が進み、当初の目標10%の普及率に対して現在9%となっている。販売現場ではそれをベースに直播とのコンビネーションの提案も始めている。今年、農機メーカーの責務として、我々が非常に苦心したのが、従業員のオーバーワークを回避しながら、お客様の需要に対してきちんと商品を提供できる生産体制づくりだ。生産のキャパを上げるべく柔軟な人員体制に努め、結果、納期を守れたと自負している」

 ――25年海外の状況。

「厳しい環境下にある北米、タイもここのところやや改善の兆しがみえる。トルコは依然厳しい。逆にブラジルは関税問題で米国の大豆が中国に輸出できない影響で好調。このように関税の影響や穀物価格、天候などによって世界各地の景気には波があるが、そのダメージを最小化するため、情報を迅速に捉えながら、効率的に事業拡大を進めている。今夏、横浜でTICAD9が開催され我々も参加したが、いいフィードバックを多く頂いた。アフリカは機械化が進んでおらず所得も低いが、経済成長率は世界一でありポテンシャルは高い。そのため、私たちは全面展開ではなく、まず西アフリカの16カ国に集中して取り組む戦略を取っている。コートジボワールを拠点に、現地パートナー企業と協力しながら、整備士や営業マンを育成し、ヤンマーのメンバーとして現地に根付かせることを重視している」

「インドはヤンマーにとって非常に重要な市場だ。インドには、ヤンマーのトラクターYMシリーズやSOLISを生産委託しているパートナー会社ITL社があるが、生産を徐々に伸ばし、YMシリーズは今後ラインナップを拡大。またCLAASIndiaを買収したことでホイールタイプのコンバインがラインナップに加わり、インド周辺国やアフリカへの販売に可能性が出てきた。さらにインドでは同国最大の作業機メーカー、shaktiman社にヤンマーのグローバルサウス向けサブブランドを生産委託。価格競争力が強く、頼もしいパートナーとなっている。また現在、ヤンマーでは国内の協力会社の作業機も海外で販売する体制づくりを進めている。海外に農機を販売するには部品、作業機などを含めた推進が大切と考えるからだ」

「ヤンマーは世界各地に現地法人を置いているが、現地法人がない国では、現地企業にディストリビューター(ディスト)を任せている。11月に東京で開催したグローバル重要パートナーズミーティングには、このディストを一堂に集めた。ヤンマーと資本関係がないディストがここまで尽力してくれる姿、そしてディストの力強さには涙が出るほど感動した。ネットワーク強化は、単にディストを増やすだけ、商品を売るだけではなく、信頼を獲得しブランド力を持つことが必要だ。商品の販売だけでなく、アフターサービスや部品供給を確実に行えるパートナーを慎重に選んでいる」

 ――2026年は。

「国内に関しては、不透明な要素が多い。米価の水準が来年も維持されるのか、新政権の政策が及ぼす影響も注視する必要がある。仮に米価が下落し市場が縮小したとしても、〝スマート農業〟と〝大型化〟は進んでいくだろう。これらは今後の農業技術の土台となるものであり、全体の台数が変動しても需要がなくなることはない。この分野に向けて新商品の開発や販売、顧客への提案活動を着実に実施していく。合わせて、整備事業にも力を入れ、十分な人員配置を行い、体制を強化する。海外に関して、不透明なのはトランプ関税の影響だが、世界展開する我々の目標は明確であり、2030年に海外売上高を2倍にするという大方針に変更はない。目標達成に向け、就任初日から取り組んできた〝種まき〟のスピードを上げ、水をやり肥料を与え大きく育つように集中していく。従来の延長線上の戦略や事業の進め方では、目標は達成できない。製造やアフターサービスまでを含めた『クルーシャルパートナー(極めて重要なパートナー)』によるエコシステムの構築を目指している。26年4月から新たな中期経営計画MTP2030がスタートする。決定したアクションプランを確実に実行し期待以上予算以上に、確実に収穫へとつなげていきたい」

 ――社会課題や環境への取り組みについて。

「25年6月から始まった〝未来の農地を守るプロジェクト『SAVE THE FARMS BY YANMAR』〟は循環再生型農業や営農型太陽光発電を使った食とエネルギーの自給率向上のモデル開発を行っている。ヤンマーグループ全体の取り組みで、非常に有意義なものと感じている。ヤンマーアグリとしても日本の農家や農地を守るという取り組みに貢献していく。淡路島ではパソナグループと連携し、新しい試みも進めている」

 ――今後を牽引する製品や脱炭素関連の動き。
「国内においては、先述の通りスマート農機と大型化が事業を牽引すると見ている。脱炭素に関しては、コンセプト電動農機EX01eなどの圃場実証を進めている。また水素やメタンを含めた多角的な研究開発を進めており、将来を見据えた準備を継続して進めている」

 ――2026年にかける思いを。

「海外での挑戦の一方で、国内に関しては、急激な売上数値目標を追うのではなく、岡山や高知の工場でしっかりとものづくりを行い、生産者の方々に商品を安定供給するというメーカーの責任を果たしていく。その上で市場環境が変化しても、社員が効率よく安全に働ける環境を守り、品質や納期を遵守することが一番重要だと考えている。2026年もこの姿勢を崩さず、国内外の事業に取り組んでいく」

 ※本インタビューは昨年12月に行ったものです。

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Tue, 06 Jan 2026 12:00:00 +0900
<![CDATA[2026新春インタビュー「激動の時代の舵をどう取るか」  クボタ常務執行役員農業機械事業部長 鈴木聡司氏にきく]]> https://www.nouson-n.com/media/2026/01/06/10337

グローバルで伸ばす 農業機械事業部スタート

 ――2025年の概況。

「グローバルに見れば、政治・経済の不透明感が続く中での事業運営となった。北米市場は関税の影響や市場変動による減販があったが、関税交渉結果を踏まえた駆け込み需要を獲得したほか、畜産業の好調を背景に70〜160馬力帯トラクタの販売が伸長し、シェア拡大した。また、小売金融プログラムの見直しや運転資金管理の強化により収益性が改善した。欧州は市場の不確実性が依然として高く、市場の停滞が続いているが、年後半にかけて回復の兆しが見えつつある国も出てきた。トラクタについてはディーラー在庫の最適化に取り組んだ。アジアでは、地域・機種によって明暗が分かれた。インドは十分な降雨に恵まれ、好調に推移した。タイではコンバインが伸長したが、キャッサバ価格の下落等を背景にトラクタは苦戦した。また中国では、汎用コンバインの品質改善に取り組み、増販となったが、トラクタ・乗用田植機は苦戦した。全社的にはコスト管理や運転資金管理を徹底し、フリーキャッシュフローの改善を図っている」


 ――国内の状況。

「国内農機事業は、主食用米の価格高騰により農家の購買意欲が高まり、大幅な増販となった。特に担い手の投資が好調で、アグリロボシリーズやKSAS対応農機、ドローン等のスマート農機が大きく伸長した。また整備事業は、点検整備受注強化や機械稼働情報を活用した点検活動等により、特に担い手層からの受注が増え、前年から大きく伸長した。『スマート・グリーン・イノベーション』のスローガンの下で取り組んできた、スマート農業の提案、アフターマーケット事業の強化、デジタルを活用した情報発信等の取組が、市場の好調と相まって成果につながったものと考えている」
「2025年も、トラクタのGS仕様のモデルチェンジや、コンバインDRシリーズのGS仕様、田植機NWシリーズの5条GS仕様の発売など、ラインアップを拡充した結果、スマート農機比率は前年よりさらに伸長した。今後も様々な領域でのスマート農機の拡充、提案を進めていく。KSASも新機能を複数リリースし、サービスを拡充してきた。2025年は衛星リモートセンシング(お試し版)をスタートしたが、稲や麦の生育確認や、田植機・インプルメントによる可変施肥等に活用いただいており、全国各地での利用が進んだ。また、農産物の販売支援や農水省が推進する「みえるらべる」の取得機能もリリースするなど、KSASマーケットプレイスで様々な営農支援サービスを利用できるエコシステムが形成されつつあり、ユーザーから好評をいただいている。2026年は衛星リモートセンシングの本格版をスタートさせ、農業経営者の意思決定をサポートできるツールとして更なる進化を目指す」


 ――2026年の展望と目標。
「海外事業については、北米は農業収入の改善や畜産事業の高収益を背景に、緩やかな回復が期待されるが、需要増が継続するかは、注視が必要な状況。引き続き、収益性・資本効率のさらなる改善に取り組んでいく。欧州は社会情勢の不透明感は続くものの、経済は徐々に回復すると見込んでいる。製品ポートフォリオの見直しやインセンティブの抑制を通じた収益性の改善に注力する。アジアでは、ディーラーマネジメントシステムの運用改善で経営の効率化を図る」

 ――国内市場は。

「国内では、令和7年産の米の民間在庫が増加していることから、米価も春頃には下落し、農業機械市場も徐々に落ち着いていくと見ている。そのため、市場が好調な上半期での実績確保が年間計画達成の鍵となる。しっかりとスタートダッシュをはかっていきたい。一方、長期的に見れば、2025年の農林業センサス結果(概数値)からも見られるように、農業者の減少による構造変化は継続することは間違いない。食料安全保障の観点からも、大規模化に対応した機械や自動化技術、スマート農業ソリューションを通じて、限られた担い手が効率的かつ安定的に生産できる環境を整え、需要に応じた農業生産ができる体制を支えていくことが、我々の重要な役割だと考える。足元の需要にしっかりと応えつつ、こうした変化に対応したソリューションの強化、提案活動にも取り組んでいきたい。また、市場環境の変化に対応して、企業としては構造改革が求められる。整備事業の拡大、製品ラインアップの見直し、DX推進によるオペレーション改善等、体質強化を進めていく」


 ――中期経営計画について。

「本年は新中期計画の始動年となる。計画は今後発表予定だが、2025年までの中期計画で進めて来た、長期ビジョン「GMB2030」へ向けた基盤を活かし、さらなる成長と課題解決の両立を目指す。国内農機事業では、引き続きスマート農業、アフターマーケット事業の拡大、そして、変化する市場への対応がキーワードになる。一経営体あたりの耕作面積は年々拡大し、担い手の負担はますます大きくなっている中で、機械の大型化・高性能化は必然であり、自動化や省力化は業界全体の喫緊のテーマである。担い手の経営継続を下支えするべく、スマート農業ソリューションをさらに進化させ、提供していく。また、大規模農家にとって、機械の故障によるダウンタイムは大きなロスになる。ICTを活用したプロアクティブな整備、インフラの拡充と人材育成を通じて、顧客の機械の順調稼働を支えるとともに、アフターマーケット事業を拡大していく。顧客が変化する中で、価値の届け方も多様化していく。2025年までに取り組んできたデジタルマーケティングを進化させ、リアルとデジタルを融合した最適な顧客体験の創出にも取り組んでいく」


 ――2026年の意気込み。

「従来、トラクタ・作業機・インプルメント・関連商品は別々の事業部に分かれていたが、この度、農業機械事業部として新しいスタートを切ることになった。持続可能な地球と人の未来のために、食料分野での課題はまだまだ山積している。各製品のシナジーを生み出し、農業機械事業を今後もグローバルで伸ばしていけるように尽力したい」
「長く海外の事業に携わってきたが、私自身は、和歌山県出身で、ミカン畑に囲まれて育った。農業や菜園は、農村地域に住む人々にとっての活力になると信じている。優れた製品やサービスには、お客様の人生を変えることができる力がある。事業を通じて農村地域をもっと元気にしていけるような、そんな製品・サービスを届けていけるよう、飛躍の一年としたい」

 ※本インタビューは昨年12月に行ったものです。

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Tue, 06 Jan 2026 12:00:00 +0900
<![CDATA[再生二期作に一工夫 オルガミンで草丈不足解消]]> https://www.nouson-n.com/media/2025/12/16/10336  再生二期作は、一度の田植えで稲を2回収穫する栽培技術。従来の二期作と異なり2回目の田植え(育苗・移植)が不要なため、省力化とコスト削減が期待できることから注目を集めている。羽佐田氏は、水稲を核に、作期を分散した多品種栽培と転作の小麦・大豆を組み合わせているが、新たな収益の柱にと着手。1作目の主食用米(ひとめぼれ)を8月下旬に高刈りで収穫後、残った株を再生させて2作目の栽培を行い、11月中旬に収穫作業を行った。
 「1作目の反収8俵に対し、2作目で4俵ぐらい収穫できればコスト的にも合い、取り組む価値がある」と羽佐田氏。ただ、再生二期作の普及を阻む要因の一つが2作目を短期間で生育させるために草丈が伸びきらず、自脱型コンバインでの刈り取りが難しいこと。その解決に数年前から愛用していたパルサー・インターナショナル(東京都八王子市)の天然アミノ酸葉面散布肥料『オルガミン』で試験を行った。
 18種類のアミノ酸が自然な形で豊富に含まれており、熱処理や化学処理を施さないことで植物への吸収が速く効果が現れるのが『オルガミン』の特長。羽佐田氏は特に味向上や猛暑対策に重視している微量要素が添加されていることに着目して水稲に活用してきた。今回の試験では無肥料区・化成肥料区・オルガミン試験区(液肥として2回葉面散布)に区分けして生育状況を比較。その結果、10aあたりの乾燥籾重量で、無肥料区は240㎏、化成肥料区は313㎏、オルガミン試験区は126㎏だったという。
 羽佐田氏は、「オルガミン試験区は圃場が小さく枕地と外周部の再生が悪く収量増加につながらなかった」と局所的な影響があったとした上で、「粒はしっかり成熟して歩留まりは良く、草丈も化成肥料区と比較して遜色無かった」と評価。オルガミンが持つアミノ酸と微量要素の補給効果が、短期間の再生栽培でも、自脱型コンバインで収穫可能な草丈(50~60㎝以上)まで生育させる効果を感じ、再生二期作の最大の技術的難関を克服できる可能性を示したと分析した。
 「技術としてトライしなければわからないことがたくさんあった」と羽佐田氏。今回の実証の成果を今後の経営戦略に活かす考えを述べた。]]>
Tue, 16 Dec 2025 12:00:00 +0900
<![CDATA[低馬力トラで使用可  直播専用機DSRシリーズ アイデーイーシー]]> https://www.nouson-n.com/media/2025/12/16/10335  特長は実績ある精度の高いAPVのエアー式播種機を装着し、軽量により低馬力トラクタで使用できること。水稲の乾田直播仕様は220㎏、湛水直播仕様は240㎏なので、既存のトラクタで導入できる。また、搭載されたエアー式播種機PSは、8個の散布口から正確な播種量で播種。
 120~300ℓのシードホッパーを装備して計量は電子制御式シードシャフトによって行われ、必要に応じて速度に連動することも可能。種子は電動ファンによってホースを通してコールターに送られる。この他、湛水直播用の鋼板製フローティングエレメント、または乾田直播用のスプリングタインコールターが装備可能。作業幅と条間を調整可能なため柔軟に使え、幅広い播種シャフトにより、ほぼあらゆる種子を散布可能。オプションで速度連動センサーとトップリンクセンサーも利用できる。]]>
Tue, 16 Dec 2025 12:00:00 +0900
<![CDATA[国際農機 樹木の高さに均一散布 牽引型果樹園スプレイヤー]]> https://www.nouson-n.com/media/2025/12/16/10334  レインボウの最大の特長は、片側10個のノズルが直線的に側面に設置され、樹木の高さに沿って均一に噴霧できること。逆側からエア吸入するリバースドラフトを採用。噴霧ノズルはコラムの外側に設置されており、エアは後方30度の角度で流れ、これにより空気抵抗や乱流による能力低下を防ぐ。
 ファンの直径は900㎜で、その処理能力は毎時4万5000㎥。最大噴霧量は毎分115ℓ、最大散布高5m、最大散布幅は7m。タンク容量1000ℓ・1500ℓ・2000ℓの3グレードで展開。トラクタの必要馬力35‌HP~60‌HPに応じて3つのグレードを展開する。最もコンパクトな1000ℓモデルは、35馬力程度のトラクタで牽引可能であり、比較的大規模な果樹園であれば導入を検討できるスペックを持つ。
 標準装備も充実しており、4セクションコントロール(上下左右)が可能なイタリアARAG社の高性能な噴霧制御コンピューター「BRAVO180S」や、同じくイタリアComet社製APS121ポンプ(最大作動圧力50bar/効率145ℓ/min)、LECHLER社のTR2ウェイノズル、ステンレス製のセルフクリーニングフィルター、サイドミキサーなど、プロの要求に応えられる仕様となっている。]]>
Tue, 16 Dec 2025 12:00:00 +0900
<![CDATA[農業普及活動高度化大会で優良8事例を表彰]]> https://www.nouson-n.com/media/2025/12/16/10333  同大会では、今日的な農政課題の推進において、顕著な成果を上げた事例発表を審査し、農林水産大臣賞等の表彰を行っている。受賞機関は次の通り。賞、受賞機関名、発表課題名の順。
 ▽農林水産大臣賞=兵庫県豊岡農業改良普及センター「有機ニンジンを核とした経営として成り立つ有機農業者の育成~コウノトリ育む野菜への新たな挑戦~」▽農林水産省農産局長賞=岡山県美作広域農業普及指導センター「次代を担う若手生産者による県内最大キュウリ産地の活性化」▽同=福井県丹南農林総合事務所農業経営支援部「地域特産物『今庄つるし柿』の販路拡大と担い手確保」▽全国農業改良普及職員協議会長賞=富山県富山農林振興センター「富山地区におけるシャクヤク産地育成『くすりのとやま』が咲かせる切り花産地戦略」▽同=鳥取県中部総合事務所農林局東伯農業改良普及所「大栄西瓜100万玉産地の維持・発展支援」▽同=茨城県県央農林事務所笠間地域農業改良普及センター「生栗出荷体制の構築を柱とした『笠間の栗』高付加価値化の取組み」▽全国農業改良普及支援協会長賞=新潟県十日町農業普及指導センター「中山間地域の農業・暮らしを将来へつなぐ~2集落で手を携えて~」▽同=広島県北部農業技術指導所「産地の未来は自分たちで描く~マンダラートから始まった部会改革~」。]]>
Tue, 16 Dec 2025 12:00:00 +0900